沙棘さーじ
グミ科の植物、沙棘(サージ)は中国では『生命の果実』と呼ばれてきました。砂漠地帯や標高2000メートルの高山などの過酷な地に自生する、その生命力が沙棘(サージ)の持つパワーそのものといっても良いでしょう。
沙棘(サージ)の学名は『Hippophae rhamnoides L.』といい「馬の毛並みをキラキラさせる木」という意味があります。古代ギリシャ神話のお話をご紹介いたします。
ギリシャの遊牧民族は、老いた軍馬や病気などで弱くなった軍馬を殺さずに、山野に放牧し自然死させていました。ある時、放牧した馬たちが部落に帰ってきました。しかし衰弱しているはずの馬たちの体はピカピカつやつやに輝いていたのです。不思議に思った遊牧民は馬たちが餌を食べにいく時にあとをついていってみました。すると馬たちは赤い実の成った果樹林の中へ入り、その実と草を食べていました。その果樹が沙棘(サージ)です。
お肌の老化は、体内で発生する活性酸素(フリーラジカル)が大きな原因です。
沙棘(サージ)は酸化を抑えるビタミンE、ベータカロテン、フラボノイドを多く含有しており、皮膚細胞の再生を促進、老化スピードを緩やかにし、みずみずしい素肌作りをサポートしてくれるアンチエイジング果実として現代でも愛されています。
その優れた抗脂質過酸化作用の放射線や紫外線から守る働きも注目されており、放射線治療後の副作用予防としても活用されています。
また、沙棘は脳細胞を栄養し、脳血管を丈夫にしてくれるパルミトオレイン酸や、悪玉コレステロールのみを減少させるといわれているオレイン酸を含有しています。
ビタミンE、ベータカロテン、フラボノイド、パルミトオレイン酸、オレイン酸をはじめ、沙棘の含有成分は200種類以上、まさに生命の果実です。
体の内からお肌にツヤと潤いを、加齢によるたるみやしわ、シミやにきび痕などの色素沈着が気になる方へおすすめの生薬です☆
また昨今では、コレステロール値やトリグリセライド値を下げる血脂降下作用にも優れているので、高脂血症や糖尿病、狭心症などの心疾患、動脈硬化、脂肪肝、また喘息や花粉症といったアレルギー疾患へも応用されています。