牡蠣かき

 

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牡蠣(かき)は、ウグイスガイ目イタボガキ科に属する二枚貝、またはカキ目やカキ上科に属する二枚貝です。

秋~冬(10月~4月)になると真牡蠣(マガキ)の旬、春~夏(6月~9月)にかけては岩牡蠣(イワガキ)の旬、牡蠣(かき)は産卵の度に栄養を蓄え、蓄えた栄養を産卵で使い果たす、といったサイクルを繰り返します。

イギリスには「Rのつかない月に牡蠣を食べるな」という諺があります。
Rのつかない月とは、5月(May)、June(6月)、Jury(7月)、August(9月)ですが、丁度この時期は牡蠣(かき)の産卵期にあたります。つまり、産卵によって蓄えた栄養を使い果たし、痩せて美味しくない時期、を指していると思われます。

尚、イギリスで食されている牡蠣は真牡蠣(ロックオイスター)とヒラガキ(ネイティブオイスター)の二種類です。

岩牡蠣(イワガキ)の産卵期は6月~10月なのですが、岩牡蠣(イワガキ)は数回に分けて産卵することと卵の数が少ないのでこの諺には当てはまりません。

食用にされる真牡蠣(マガキ)、岩牡蠣(イワガキ)、中型のヒラガキ以外にも、小型の種類のものも含めると、世界中には100種以上の牡蠣が生息しています。

旬の牡蠣は、ぽってりと太って甘くてクリーミィな旨味。かのナポレオンも牡蠣が大好きで、牡蠣をたくさん食べられるように領土を広げた(牡蠣がとれる地域をゲット)とも言われています。ジュリアス・シーザーも、テムズ河口の牡蠣を目当てにイギリス海峡に侵攻したと言われています。

牡蠣かき

~海のミルク~ 牡蠣の成分

牡蠣の旨味成分はグリコーゲン、グリシン、コハク酸です。
グリコーゲンは筋肉と肝臓に蓄えられており、瞬発的にエネルギーを使う時の為にスタンバイしています。グリシンは最古のアミノ酸といわれており、たんぱく質の構成成分となっています。コハク酸は、新陳代謝を担うクエン酸サイクルを構成する物質のひとつ、リウマチなどの外用薬として単体で生産もされています。

牡蠣は100グラム中に、

亜鉛 40~70ミリグラム
カルシウム 80~90ミリグラム
カリウム 190ミリグラム
リン 100ミリグラム
マグネシウム 70~80ミリグラム
タウリン 600~800ミリグラム

上記以外にも、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ナイアシン、葉酸、パントテン酸、ビオチン、ナトリウム、鉄、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、クロム、バリン、ロイシン、イソロイシン、アスパラギン酸、といった成分を含有しています。

生薬としての牡蠣(ぼれい)

牡蠣の貝殻の左殻のみを焼成して粉砕した粉は、牡蠣(ぼれい)という生薬になります。
炭酸カルシウムが主成分になり、他にリン酸塩、マグネシウム、アルミニウム、ケイ酸塩、酸化鉄といったものを含有しており、イライラ、更年期の諸症状、のぼせ、不眠、小児の夜泣き等の改善に用いられています。

薬草学の古典、神農本草経(しんのうほんぞうきょう)には『牡蠣殻の味は鹹で性は平。骨節を強くし、年を延ばす。制酸・止瀉・止汗の作用があり、驚・怒・恨といった邪気による寝汗、無精、手足のかじかみ、鼠瘻(るいれき、頸部リンパ節結核などを指す)、おりもの、精神不安の症状に用いる。』と記されており、薬学書、本草網目(ほんぞうこうもく)には『その肉を抉り取って食品に当てるが大変、益がある』『婦人の気血の流れを良くする』『肌のきめを整える』『肥えた体を引き締める』と記されています。

滋養強壮や栄養補給、新陳代謝の促進、血糖低下、免疫力・精力の増強なら「牡蠣エキス」「牡蠣そのもの」を、イライラ、のぼせ、更年期、不眠といった高ぶった熱症状には牡蛎の貝殻の「牡蠣(ぼれい)」を用いると良いでしょう。

 

 

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