苦丁茶くちょうちゃ
苦丁茶(くちょうちゃ、くていちゃ)は、モチノキ科苦丁樹の新芽のお茶です。
別名「瓜芦」「一葉茶」とも呼ばれています。日本では多羅葉(タラヨウ)と呼ばれています。タラヨウは「はがきの木」とも呼ばれますが、これはタラヨウの葉の裏側に傷をつけると、傷の部分のみが黒く変色し長く残るので、文字などを書き記すために使われたためです。つまり葉の裏に、爪や木の枝などで文字を書くことが出来るのです。お寺や城跡などでタラヨウの樹を見つけたら、その葉で試してみると良いでしょう。「葉書」の名前の由来とも言われています。
2000年前の漢王朝の時代には宮廷への献上茶として、今日では日本でいう緑茶のような存在、中国全土で最もポピュラーな健康茶ではないでしょうか。
苦丁茶を毎日飲むと・・・
代謝がよくなり、目の疲れや頭痛、ストレス、便秘、のどの炎症とは無縁になる「減肥茶」「長寿茶」「美容茶」そんなイメージがついていますが、しかし、中国茶の中でも日本に馴染みにくいのかな、と感じます。その理由は「苦味」です。
苦丁茶の名前のとおりとても苦いです。もちろん中国内でも40種類ほどある苦丁茶なので、種類によって差があります。ただ、清涼感があり後味さっぱりとしているので、飲み続けているとこの苦味が癖になり、また上質なものになると苦味のあとに深い甘味や旨味を感じるそうで、「毎日飲んで」「健康で美しく」なれるのでしょう。
尚、90年代後半くらいからは苦味を抑えた品種改良も進んでいます。
さて、苦丁茶の苦味の正体、トリテルペンの配糖体サポニンには新陳代謝を助ける役割があることがわかっています。
また、抗酸化成分の、亜鉛[Zn],マンガン[Mn],銅[Cu],セレン[Se]を含んでおり、亜鉛[Zn]は免疫を助けるなどの100以上の酵素の活性に関与しており、マンガン[Mn]は主に骨の形成や消化などに関係し、銅[Cu]はヘモグロビンの合成・電子伝達・酸素の輸送など、セレンはビタミンEやビタミンCと協調して活性酸素やラジカルから生体を防御すると報告されています。
亜鉛[Zn],マンガン[Mn],銅[Cu]は体内の活性酸素、フリーラジカルの無毒化に関与し、身体を健康に保つSOD(スーパーオキシドジスムターゼ)の構成成分でもあります。
生薬としての苦丁茶には、清熱瀉火(せいねつしゃか)という特徴があります。清熱瀉火(せいねつしゃか)とは、体内でおこっている過剰な熱による口渇、ほてり、のぼせ、精神不安、をクールダウンし、また、過剰なものを排出するデトックスを意味します。