漢方医学と漢方薬
漢方医学とは、2000年以上の歴史を持つ中国の伝統医学が6世紀ごろに日本に伝来されて日本の国情に合わせて改良された医学です。オランダ医学(蘭学)と区別するために、中国(漢)の医学(方)という意味を込めて作られてた言葉です。
漢方医学の特徴は、人間の体全体の調子を重要視している「全体観」と「弁証論治(べんしょうろんち)」という治療法です。
「弁証論治」は具体には、漢方医学の陰陽、五行、五臓六腑、経絡、気血津液などの理論を基礎にして、望、聞、問、切の「四診」という診察方法で体の全体の調子を調べて分析し、「証」という結論を出し、その後「証」を根拠として漢方薬や鍼灸、按摩、気功などの手段で治療を行うことです。
漢方医学の主な治療手段としては「漢方薬」を使用して病気を予防や治療することが挙げられます。
「漢方薬」の原料は自然界の植物、動物、昆虫、鉱物などに由来する天然素材で、これらを加工したものが「生薬」になります。
多くの場合は、効果をもっと発揮させるために、いくつかの種類の生薬を組み合わせる「方剤」を作り出して使用します。
そして、方剤の有効成分を抽出させたり飲みやすくしたりするために、「煎剤」、「丸」、「錠」、「粉末」など伝統的な製品を作りますが、最近では新しい技術手段を利用した「カプセル」、「ソフトカプセル」、「顆粒剤」、「ドリンク剤」などの製品が増えています。