紅麹べにこうじ
昨今、日本においては、塩麹に代表される発酵食品が見直されており、一躍ブームとなっています。もともと日本酒、焼酎、味噌、醤油、野菜や魚の漬物床として古くから利用されてきた麹(こうじ:糀とも書く)、「米や麦、大豆などにコウジカビ等の微生物を繁殖させたもの」が麹です。
一方、紅麹(べにこうじ)は、ベニコウジカビという糸状菌の一種をメインに微生物を繁殖させたものです。紅麹(べにこうじ)は主に紅酒や豆腐よう(沖縄では琉球王朝時代に病後の滋養食として食べられていました)を発酵させる時に用います。
深紅色をしており、これが天然色なので、安心して使える食品色素としても利用されています。
中国では主に紅酒や老酒に、また生薬として利用されています。
紅麹(べにこうじ)は、血中コレステロールを降下させたり、高血圧の降下を促すモナコリンK(Monacolin K)を生産することで知られています。他に、γ-アミノ酪酸(GABA)も含有しています。
(※紅麹は、血圧が高い時は下げますが、血圧が平常時や低い時、過剰な血圧降下はしないのが特徴的です)生薬としての歴史も古く『本草綱目(李 時珍 著)』には「消食活血」「健脾燥胃」「治女人血気痛」とあり、消化を助け、血管を柔らかくして血液の流れを活き活きとさせ、脾胃を丈夫にし、(生理痛などの)女性の悩みに役立つ、ことが記されています。
一般に知られている麹よりは生産量の少ない紅麹ですが、コレステロール値や血圧の気になる方には是非知って頂きたい健康食品です。