高麗人参こうらいにんじん
薬用人参には、大きく西洋人参、シベリア人参、田七人参(でんしちにんじん)、高麗人参(こうらいにんじん)の4種類があります。
高麗人参(こうらいにんじん)は、ウコギ科パナックスジンセングの根を用い、別名、朝鮮人参またはオタネニンジンと呼ばれています。
朝鮮半島の野生種が最上品といわれていますが、中国東北部でも栽培されています。
人参の漢字は、今から四千年前の中国、周の時代の銅鼎(どうてい)に既に記されています。参の上の「ム」は人参の花と枝葉を表し、「ム」の下の「一」は地面を、それより下は人参の根を表しているようです。この、人参の根が「人の姿に似ている」ことからこの植物の名前を「人参」にしたとのことです。
古来、中国では「人参は子供の血や肉が変形して出来たもの」と考えたようです。故に「人参は万病を治し、老化を防ぎ、生命を助ける」と珍重されてきました。
高麗人参の特徴
大補元気(だいほげんき)
高麗人参は優秀な補気薬です。疲労を回復し、抵抗力・免疫力を高め、元気を養ってくれます。強心・強壮(きょうしん・きょうそう)
血糖降下、性腺ホルモンの分泌を促し、強心・強壮として用いられます。補脾益肺(ほひえきはい)
消化器や呼吸器の機能低下による食欲不振、四肢の倦怠感、息切れ、呼吸困難などに用いられます。安神(あんじん)
体力低下に伴う神経症状、不眠、動悸、不安感、健忘などに用いられます。
高麗人参(こうらいにんじん)は、長期間使用しても副作用がほとんど無く、応用範囲が広いのですが、体を温める生薬ですので、高血圧の方や便秘、口渇、ほてり、のぼせのある方が用いる際には注意をしましょう。