桑葉そうよう
桑葉(そうよう)は、クワ科カラグワの葉を乾燥したものです。
桑は、少し前まではカイコの餌として重要な作物でした。絹糸が取れるオカイコサマの食べ物なので、養蚕が盛んだった頃には桑畑もあちこちに見られました。
桑の実は、キイチゴのような柔らかい小さな粒がたくさん集まった形状で、甘くて美味しく、マルベリーという名前もあります。
口の周りを紫色に染めて食べることから「ドドメ」とも呼ばれ、また、生薬名は「桑椹子(そうじんし)」、ポリフェノールを多く含み、肝血(かんけつ)を増やすので、めまい・不眠・目のかすみ・耳鳴り・白髪・便秘・口渇などに用いられています。
但し、桑の実は、蛾の幼虫の大好物なので、野生の実を食べたいな、と思った時には十分な水洗いなどが必要です。
桑の枝は、生薬では「桑枝(そうし)」といいます。肝の陰(体を潤す水分)を補い、筋肉や関節などをなめらかにするので、リウマチ・関節痛・ひきつれなどに用いられます。
桑の根の皮は、生薬では「桑白皮(そうはくひ)」といいます。肺の熱を取り除き、からまるような痰を出すので、熱感のある咳・胸のもだえを伴う呼吸困難・尿量減少・むくみなどに用いられます。
桑の葉の桑葉(そうよう)には、肺と肝の熱をとり炎症を鎮めるので、軽い熱のある風邪症状から、急性の乾いた咳・慢性の乾いた咳・イライラ・めまい・頭痛・目の充血・目の乾燥などに幅広く用いられます。